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【Vol.2】属人的に働くということ JOY&MAKEを考える

フレキシブルな働き方が可能、フリーランス×子持ち主婦のワークスタイル

 

「おかあさんだから」って自由に働くこと諦めていませんか?

献身的に子育てに励む母親を描いた歌詞が、男尊女卑、自己犠牲を美化しすぎ、と批判が殺到したできごとは記憶に新しいかと思います。少なからず「おかあさん」になってからは子どもが最優先で自分の人生を後回しにしている人も多いのではないでしょうか。

おかあさんになったから、「我慢しながら妥協して働く」のではなく、「自分のやりたい仕事を、柔軟性を持ちながら自由にやる」それができるのがフリーランスという働き方。

現在6歳娘の子育て中である、フリーライター高田真子(たかだ・まこ)が、未経験からフリーランスデビューに至った経緯、「本当に好きなこと、やりたいこと」を仕事にできている現在の働き方について、少しお話ししたいと思います。

 

会社員であることがアイデンティティだった

正直、「フリーランス」という働き方に魅力も憧れもなかった私。大手金融関連会社の営業職として、月曜から金曜まで毎日同じ電車に乗って出勤し、規則正しく労働することに誇りをもっていましたし、会社員という枠の中で与えられた仕事をこなすことに喜びさえ感じていました。それまでの生活がガラッと変わったのは妊娠がきっかけでした。

 

専業主婦になって感じた罪悪感と劣等感

妊娠中にドクターから「安静」の指示が出たことをきっかけで突然専業主婦に。

それまでの「〇〇会社の高田真子」じゃなくなったことで、私を表す肩書がなくなりました。もちろん、子どもを産むことは女性にしかできない仕事ですし、尊いものだとは思っていましたが、私が感じたのは強烈な恐怖でした。

「子どもが産まれたら10年以上は自分のやりたい仕事ができないんじゃないか」「もう二度と社会と関わるきっかけを得られないんじゃないか」

子どもと引き換えに自分の人生は手放さなければならない、そんな諦めにも似た気持ちでした。

家にいて子育てと家事をするだけの毎日、何も生産できない自分を養ってもらっている現実に罪の意識を感じ、かつての同僚の出世していく姿に強い劣等感を感じていました。

 

“在宅ワークオンリー”フリーライターの道へ

子どもが3歳になりほんのちょっと時間に余裕ができた頃、「子供を自分で見ながら、何か仕事ができないか」と考えるように。

在宅でできる仕事をいろいろと探していくうちに出会ったのがライターという職業。元々本を読むのが大好きで、要点をまとめたり、調べたりするのが苦手ではない、という理由だけで簡単なハウツー記事の制作から始めました。

もちろん右も左もわからない素人がいきなり文章を書くなんて簡単なことではありません。でも、最初に出会った編集部の方がとても丁寧に基礎から指導してくれ、初心者でもわかりやすい文章力を付けられる本を教えてくれたり、時には叱咤激励してくれたりしたことで、コツをつかんでいきました。

100の知識よりも1の経験」というスタンスで1年間に300本くらいありとあらゆるジャンルの原稿を書きました。

 

営業経験を生かせる“取材ライター”になりたい

とにかく毎日与えられた仕事を流れ作業のようにこなす日々。数をこなすことで書くという作業に慣れてはきましたが、物足りなさを感じるように。

元々営業職で人とコミュニケーションをとるのが好きだった私が、家にこもって誰とも話さずに黙々と原稿を書き続ける。書くことは苦じゃないけど、「もっと人と関わりながら原稿を書く仕事がしたい」そんな思いを持つように。

これからもライターとしてやっていくなら「人の魅力を引き出して多くの人に伝える」そんなライターになりたいと考えました。もちろん、取材経験なんてありません。でもいてもたってもいられなかったんです。

すぐに求人サイトで取材ライターを募集している企業をいくつも探しました。でも募集しているのは「取材ライターとしての経験がある人」ばかり。1社「是非一度会って話しましょう」と言ってくれた企業がありました。そこで、自分を最大限にアピール。なんとか私の思いを受け取ってくれた企業と契約し、取材ライターとしてスタートしました。

やってみて思ったのは、「とにかく楽しい!」「自分にこんなに合っている仕事があるんだ!」ということです。1か月に何本も取材に行きますが、取材対象者それぞれが持つ熱い思いに触れ、それをなんとしてでもより多くの人に伝えたい!何度経験しても取材後はそんな使命感でいっぱいになります。

 

フリーランス×子持ち主婦のメリット

子持ち主婦が企業に属さず、フリーランスで仕事をすることの最大のメリットは「仕事の量と時間を自由に選択できること」です。

企業に属する場合、決められた日数を働くケースが一般的だと思います。「今月は週6で入るけど、来月はシフトを入れないで」なんて言えるケースは少ないでしょう。

でもフリーランスだと仕事を受けるか受けないかは自分次第なので、「この週は旅行に行くから仕事を入れないでおこう」「今年はPTAの役員で忙しいから仕事を減らそう」と自由にできるのが特権。

また、急な子供の体調不良にも対応しやすいのも大きなメリット。私の場合は、基本的に取材に行く数時間以外、在宅でできる仕事なので子どもが熱を出したり、急な学級閉鎖になったりした場合も、「誰かに代わって!」とお願いすることがほとんどなく、企業に属している人よりはずっと気楽です。

 

仕事と家庭の両立はフリーランスだからこそのやり方で

現在は、主に子どもが幼稚園に行っている時間、8時半から16時までの範囲でできる仕事をやっています。もっと働きたいという気持ちもありますが、おそらく今の自分のキャパではこの働き方がベスト。仕事に追われる生活も経験してみたいですが、子どもが小さいうちはこのペースで行く予定です。

フリーランスになってから、うちの食卓はめっきり煮込み料理が増えました。

というのも、パソコンで原稿を黙々と書いている間の時間が有効活用できることに気付いたんです(笑)。

下ごしらえした食材を鍋にポンポン入れてひたすら煮込むだけの料理は、原稿が仕上がったころにちょうど出来上がっているという、ある意味”時短料理“。おでん、トマト煮込み、豚汁など普段煮込む時間が面倒な料理こそ仕事中にやる、これがなんとも効率的で!

仕事中に晩御飯の仕込みができるのもフリーランスの魅力ですよね。そして、それらの料理は翌日も食べられるので、次の日は料理しないこともあります。(えっと、翌日の方が美味しいですしね!笑)

うちは主人の帰宅が夜遅いので、平日はほぼ一人で家事育児はこなさないといけません。そんな私の息抜きは、子どもを産む前からの友人と飲みに行くこと。主人に子供を預けて、「(娘)ちゃんのおかあさん」でなく、一人の人間「高田真子」として、おかあさんになるずっと前からの友人と、おいしいものを食べて飲むことが一番のリフレッシュ法です。フリーランスになってから専業主婦の頃よりストレスがたまらなくなりました。

 

やりたい仕事をやりたいだけやっている現在

「今までたくさん取材を受けたけど、記事のクオリティが一番いい」「私たちが伝えたいことが的確にまとめられている」とお声を頂くことも増えてきました。飛び跳ねたいくらい嬉しい気持ちになります。人の思いを形にして多くの人に知ってもらう仕事に誇りとやりがいをもって書いています。

まだ、ライター歴3年半。寝る間を惜しんで書くこともまったく苦じゃありません。これから経験を重ねていくうちに、もしかすると、今後ライティングへの情熱が薄れることがあるかもしれません。でもそんなときは初心にかえって、今の新鮮な気持ちを思い出そうと思います。